約一世紀ほど前のアメリカで、職業選択の指導者のことをフランク・パーソンズが「カウンセラー」と呼び出したのがカウンセラーという職業の起源だといわれています。
パーソンズは、適材適所を願って「四角い穴には、四角い栓を!」というスローガンを掲げ、職業選択のマッチング理論を整えていきました。
人間の自己実現のためには、何よりも「職業」に就き、自己実現をしながら生きていくことが大切だと彼は唱えました。
そして、職業選択を誤ることがないようにと、「個人の分析」「職業の分析」「合理的な選択」の三つの分類を設け、その各項目に通じており、職業選択の指導に当たる人々を「カウンセラー」と定めたのでした。
同じころに活躍したのが、クリフォード・ピアーズです。
彼は、病気の治療と同時に心の健康に注目し、コネチカット州に精神衛生協会を設立して独自の運動を始めていきます。
そこに、エドワード・ソーンダイクの知能や技能を数値化して測定する教育測定運動などが影響を与えながら各種の心理テストが考案されていくことになりました。
20世紀の草創期のアメリカの産業成長期に登場した「カウンセラー」という職業の成り立ちには、単なる精神疾患だけではない社会や生き方にまで根を張る諸問題への働きかけがあったというわけです。
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