カウンセリングと占いの違いについて
占いは、様々な方法で、人の運勢や未来、心の中など、目に見えないものについて判断します。
よく「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と言われるように、当たるか当たらないかは定かでなく、仮に当たったとしても科学的根拠はありません。偶然と考えるのが妥当です。
中には、占いを統計学的なものと説明している人もいるらしいのですが、統計学のような客観性はなく、占い師個人の感覚であったり、経験を利用したものであったりするだけです。とは言っても、「占いは科学的根拠がないからインチキ」ということではなく、占ってもらった人が、結果をどう理解し、どう活かすかによって、占いに対する価値も変わってきます。
占いは、占い師の感性(様々な手段を利用しますが)によって占われる場合が多く、その占った結果を相手に伝えます。そこに占ってもらった人の意見や考え、気持ちといったものを挟む余地はなく、ある意味一方通行です。
“よく当たる”と言われる占い師は、バーナム効果やコールド・リーディング、ホット・リーディングといったものを駆使して、占いを展開している場合が多く、そういったものの利用に優れた能力を持った人であると言えるかもしれません。
※バーナム効果
誰にでも当てはまるような一般的なことをあたかも自分だけに当てはまっているととらえてしまう心理学上の現象。
※コールド・リーディング、ホット・リーディング
コールド・リーディングとは、事前の調査や準備がなく、その場の相手を観察したり、会話を交わしたりすることで相手のことを言い当て、相手に「わたしは
あなたのことをよく知っている」と信じさせること。ホット・リーディングとは、事前に調査をしたり、準備したりしたことを、あたかも超能力や霊感で言い当 てたと思わせること。以前、テレビ番組でスタッフが事前に調べたことが事実と違っていて、超能力者の嘘が発覚し、問題になったことがある。
さてカウンセリングは、主に自己理論に基づく来談者中心療法を軸に進めていきます。
ですから、問題を解決する力は、クライアントの皆さんの中に存在するという立場であり、その意味でカウンセラーが自分の意見をクライアントさんに押しつけることはしません。
あくまでも、クライアントさん自身が自分の内面にある問題に気づき、自分自身の力で問題解決を図る手助けをするというスタンスです。カウンセリングは、分析的立場も取りませんので、クライアントさんにとって都合の悪い評価、気分を害する評価といったものもしません。クライアントさんのお話を丁寧に伺い、無条件に受容し、共感するというやり方です。
こ れには、様々な知識や技術が必要で、カウンセリングというのは、感性や感覚といったのもで行われるのではなく(感性、感覚、社会経験なども要素の一つでは ありますが)、クライアントさんに対する対応そのものがカウンセラーの技術の集大成であると言っても過言ではないと思います。
占いとカウンセリングの違い、ご理解いただけましたか。占いとカウンセリングを比較した場合、カウンセリングの方が占いに勝っているという意味ではなく、立ち位置が違うということなので、お間違いなく。
占いをすることで気持ちが楽になったり、結果を信じて行動することで幸せになれれば素晴らしいことです。ただ、それは、絶対的なものではなく、ご自身が結果をどう理解し、利用するかの問題なんだということをわかって行動すれば、占いにも大きな効用があります。
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