アメリカと日本のカウンセリング事情を考えてみましょう。
まずアメリカですが、カウンセリングを受けるということは特別なことではなく、
まるでエステにでも通うような感じで、とても普通の行為として受け止められています。
たとえば多くの企業では社員が年間に規定の回数のカウンセリングを受けることができるように、
会社持ちで費用を負担しています。
社員をカウンセリングを受けることは当然の権利として受け取っています。
会社内に専属の産業カウンセラーが常駐している場合も多く、
気軽にカウンセリングを受けることができる環境もよく整えられているなと感じました。
ある日本人がアメリカの会社に就職してまず驚いたのが、カウンセリング事情だったと言います。
カウンセリング券のようなものが与えられて、
年間10回までカウンセリングを受けることができるようになっていました。
しかし彼はカウンセリングを受けるという行為になじみがないものだから、
自分には関係がないと思っていました。
そんなある日のこと、彼の奥さんがアメリカでの生活で心のバランスを崩してしまい、
ややうつぎみになってしまっていたということです。
それで二人で一緒に初めてカウンセリングを受けてみたのです。
すると奥さんも軽いうつ症状があるけれども、彼自身も「うつぎみだね」と診断されてしまいました。
自分ではそのような自覚はなく、ただアメリカでの生活や仕事を必死にがんばっていたという感覚でいました。
しかし奥さんのこともあって、いつのまにかストレスが蓄積していたのです。
それから奥さんだけでなく、夫婦そろってのカウンセリングをしてもらうようになったのです。
しばらく夫婦カウンセリングを受けているうちに、元気が出てきたといいます。
彼はカウンセリングを受けることに、あまり深刻にならず、気楽に、
話を聞いてもらうという感じで受けると良いと言っていました。
そしてその効果は自分でもびっくりするほどあったと言っていました。
日本にいたときは、うつ病の人が通うところというように思っていたのですが、
もっと簡単に考えて良いのだと理解するようになったと言います。
そして、本当にうつ病になってしまう前に、カウンセリングを受けると効果的だとも言っていました。
このようなカウンセリングを受けることがアメリカでは自然なこととして受け止められているのは、
アメリカ人は自分のことを人に話すことを恥ずかしいことのように思っていないからかもしれません。
アメリカに対して日本は事情が違ってきます。
カウンセリングの効果があるとわかっていても、日本は恥の文化です。
人に自分のことを話すのは恥ずかしいことと受け止めてしまうのです。
また、まわりの人からも何をうわさされるかわかりません。
このような環境の違いが大変大きいと思います。
しかし、それでも最近は徐々にカウンセラーの存在が注目され、
医療転職でもカウンセラーが求められるようになってきています。
日本も少しずつアメリカのように変わっていくのかもしれませんね。
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