うつの患者数(医療機関を受診する患者数)は、1996年では43.3万人でしたが、2005年で92.4万人、2011年では95.8万人(※1)と増 加しています。併せて、企業でのうつ疾患者や休職者の増加も、大きな課題となっていますが、その実態はどうなっているのでしょうか。おおよその傾向を知る ことができる指標として、以下の2つがあります。
(1)休職者がいる企業の割合
厚生労働省の調査では、「過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業又は退職した労働者がいる」企業の割合を公表しています。これを見ると、1,000名以上の事業所では、9割程度で1カ月以上の休職者または退職者がいるようです(※2)。
併せて、上場企業を対象とした民間の調査では、「心の病により1カ月以上会社を休んでいる従業員がいる」企業の割合は、2002年では「58.5%」、 2009年では「70.0%」という結果もあります(※3)。企業や事業所の規模が大きくなれば、心の病による休職者の発生率は自然と高くなり、ほとんど の企業や事業所で休職者が一定程度発生しているようです。
(2)精神障害に係る労災請求・決定件数
厚生労働省によれば、「精神障害に係る労災請求・決定件数」は、平成24年度に過去最高を更新し475件を記録しました。脳・心臓疾患よりも多くなってい ます。また、認定率(実際に労災の判定がなされた件数のうち、支給が決定された件数の割合)も39%と、過去最高を更新しており、過酷な労働が精神障害を 招くケースは増えつつあります。
出典:厚生労働省(2013)「平成24年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ」
このように、統計で確認されているだけでも職場でのうつは増加傾向にあります。
うつを周囲に隠して働いている方もいるため、実際にはもっと多くの方がうつで悩んでいるのではないでしょうか。
あなたの周りにも、うつで悩んでいる方はいませんか。うつはどんな人でも罹患(りかん)する可能性があります。実際に、自分がなってしまったら、あるいは周りの人がなってしまったら、どうしたら良いのでしょうか。そんな時は、是非専門家にご相談下さい。
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