「5月病」という名前を聞いたことがありますか?日本では新年度にあたる4月に入学や就職、異動、一人暮らしなど新しい環境が始まることで、期待感やプ レッシャーを感じることや、その環境に適応できないでいると、人によってはうつ病に似た症状が現れます。その時期が5月のゴールデンウィーク明け頃から起 こることが多いため、この名前が付けられたと言います。
ここでは、うつ病についてみてみましょう。
うつ病は説明するのが大変難しい病気です。
“うつ”の状態とは、脳のエネルギーが欠乏していることにより、気分が落ち込んだり、憂うつな気分になったり、食欲・性欲・睡眠欲といった様々な「意欲」が失われた状態のことを指し、多くの身体的な自覚症状を伴うこともあります。
人は誰でもこういった状態になることはありますが、大抵の場合は数日で回復します。しかしうつ病(正確には「大うつ病性障害」といいます)を発症するとこの状態が長く続き、患者さんが自殺により亡くなることがあるのです。
日本では全人口のおよそ5%がうつ病であるといわれており、その原因の多くはストレスによるものです。仕事によるストレス、社会的不平等に対するストレ ス、対人関係でのストレス、他の病気などによるストレスの他、女性ホルモンのアンバランスによるストレスもあります。また、新居を買っての引っ越し後やこ
どもの進学など、周囲からみれば喜ばしいできごとも発症のきっかけになることがあります。
特に女性の場合は、妊娠・出産・育児によるストレスも大きく関係します。産後にうつ状態になることを「マタニティブルー」といいますよね。もし“うつ”の状態が2週間以上続いているようであれば、それはうつ病の始まりかもしれません。
うつ病の治療法は、一人ひとり違います。薬物療法や、カウンセリングに加え、環境の影響が強い場合は環境の整備が必要です。休職についても、休養が必要な場合とむしろ仕事を続けた方がいい場合もあって、方針は人によって違います。
うつ病にはいろいろあって、治療法もひとつではないことを知っておくことが大切です。自分のうつ病と、ほかの人のうつ病は違うものであり、治療法も一人ひとり違っているということを覚えておきましょう。
何をしていても楽しくない、気分が上がらない、などゆううつな症状が続いたら、思い切って心療内科を受診してみましょう。
受診する場合は、心療内科が一般的ですが、女性の場合は女性専門クリニックなどで相談しても良いかもしれません。
治療としては、まずは薬物療法が必要な場合も多いのですが、カウンセリングも同時に行うことが多いようです。
MocosukuWoman編集部
コメントをお書きください